2018年08月21日

バーベナの祈り*chapter1

*chapter1


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posted by 夕凪 at 23:55| 連載小説 | 更新情報をチェックする

バーベナの祈り*promenade

*前書き
・オーボンヌ修道院の書庫を舞台にした、とある「記憶」と「記録」にまつわる物語
・幼少期のローファルのお話です
・時間軸は前作「花嫁の決断」より少し前。シモン先生が修道院長としてオーボンヌにやってきた頃の物語です


【登場人物】
・シモン…オーボンヌ修道院院長。元異端審問官。
・ローファル…オーボンヌ修道院の修練士。シモンが引き取った少年。
・アルフレド…神殿騎士団団長。
・ロフレイ…ガリオンヌの学者。王立魔道院所属。故人。

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posted by 夕凪 at 22:56| 連載小説 | 更新情報をチェックする

2018年08月20日

あなたのぬくもりを

「その傷、どうしたんだ」
 クレティアンは彼の自室を訪ねてきたローファルの手元を見て言った。黒いローブの袖から見えるローファルの手首に大きな傷跡が残されていた。
「ああ、これか。ルーンブレイドの破片が飛んできたのだろう……気にしてもいなかった」
 剣や鎧が砕けて飛び散ることは剛剣使いにとって、あまりにも日常茶飯事な出来事だった。ローファルはクレティアンに言われて初めて自分が負傷していることに気づいた。
「化膿しているじゃないか。そこに座れ」
 クレティアンはローファルをベッドのそばへと引っ張ってくると、そこに座らせた。
「腕を貸せ」慣れた手つきでローファルの手首に包帯を巻いていった。
 そうだ、こいつは魔道士だった。怪我の手当をしてくれているのだな。
 ローファルは自分の手を取るクレティアンの手を間近で見つめた。普段、こんなにまじまじと見ることはない。ローファルは騎士団長と一緒に外へ出て行くし、クレティアンは館に残って机に向かっている。一緒に戦場に立つことなどなかった。
 ローファルがぼんやりと考え事にふけっていると、クレティアンは包帯の上からローファルの手にキスをした。唇が触れたその瞬間――ローファルの全身に熱い感覚が駆けめぐった。
「ほら、包帯を外してみろよ」
 キスじゃない、ただ魔法を使っただけだ――気づいたのはクレティアンにそう言われてからだった。
「おお……すごいな、傷跡がきれいになっている」
「俺を褒めるなよ。こんなのは下級の魔道士の仕事だ。俺の力を使えば聖石がなくても、おまえが死んでたら生き返らせてやる」
 クレティアンはつんとすましていった。「だがローファル、あまり怪我はしてくるなよ」
「生傷が絶えないのは剣を使う者の宿命だ、あきらめてくれ」
「そうか……」
 クレティアンは呟いてベッドに座るローファルの隣にどすんと腰掛けた。そのまま身体を倒してローファルの後ろにうつ伏せに寝そべった。ローファルは治療への感謝の意味を込めてクレティアンの頭に手をおいた。
「……私のことより、自分を大事にしろよ、クレティアン」
 気がつけば自分の手が剣を振るうちに切り傷であふれていたのとは対照的に、クレティアンの手は灼熱の魔法を使う時の反動なのか火傷の痕がずいぶんと残っていた。白魔法より黒魔法を使ってきた経験の方が長いと分かる熟練の魔道士の手だ。
「私は魔法が使えないからな……おまえが怪我をしても癒してやれない」
「早死には魔道士の宿命さ。おまえだって戦場で先に殺るのは魔道士だろ」
「ああ、そうだ。だが――」
 ローファルはクレティアンの頭を撫でた。「部下より先に指揮官が死んでしまっては話にならないではないか。おまえは士官学校で一体何を学んできた?」
 もしも、そのような時が訪れるとしたら自分より彼の方が先に死ぬだろう。そんな時は想像したくもないが、ローファルはそう感じていた。それが戦場の定める宿命なのかもしれないが。
「生き急ぐなよ。おまえが瀕死の状態で戦地から帰ってくるのは私の子心が痛む」
「俺は別に……血が流れれば、その分だけ主も喜んでくださる」
「だとしても、だ。私より先に逝くなよ」
 ローファルはクレティアンの背中に顔を埋めた。こうしているとぬくもりが伝わってくる。今はその温かさをしばらく感じていたかった。
posted by 夕凪 at 21:48| 小説・SS | 更新情報をチェックする

140字SS集8

クレメリ多

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posted by 夕凪 at 21:36| 140字SS集 | 更新情報をチェックする

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・メリアドールさんは騎士団の城館も領地も顔パスで歩けるし、聖石パワーで教皇庁も自由闊歩できていたのでは? 地元領地やミュロンド市街地では彼女の名前は当然知られていたし、全国の神殿騎士団支部でもティンジェルの名と聖石の力で一目置かれている。
・ゾディアックブレイブってアジョラの使徒ですよ?メリアドールさんは新生ブレイブとして、現代に再臨したアジョラの使徒なんですよ?ディバインなお姉さんなんですよ?聖人の域に入ってますよ?剛剣は北米版だとマイティソードにリネームされてて神の技を担ってる聖女ですよ?
・メリ姉は教会の広告塔として常に聖石を持ったゾディアックブレイブとして振る舞うことを要求され、有象無象の人目に晒され続ける生活をずっと送っていて、そうやって人の上に立つ心構えを知っている人だと思ってます。ブレイブとして祈り戦うことの責任を知っている。
・メリ姉は騎士団長の父や聖石という環境から人民の上に立つことを知った。そういう振る舞い無意識に出来ちゃう。クレティアンは英才教育を受けて、エリートになるための訓練を受けてきた。でも彼も無意識にそういう振る舞いが出来る人。おにあいのふたりですね
・ミュロンド大寺院は、イヴァリースの最新技術で建てられた畏国で一番高い建物。天に伸びる尖塔。そして広大な窓。ロマネスク様式(オーボンヌ)では技術的窓からの採光が出来なかった。ミュロンド大寺院にはたくさんの窓があり光が溢れている。人々は光溢れる大聖堂にひれ伏す。教会の威光は畏国を統べる
・グレバドス教会が権力を握るイヴァリースにおいて、畏国の最高の技術で建立されたミュロンド大寺院は間違いなく「世界の中心」だったと思うのです。で、その聖堂の頂点に上ってクレメリ二人で世界を見下ろして欲しい。最高に気持ちのいい風が吹くと思う。
posted by 夕凪 at 21:24| 妄想・語り | 更新情報をチェックする